ヤツボシハムシほか    「エノキの木の下で~」

「林檎の木の下で 明日また逢いましょう~」これは恋人との逢瀬の歌だが虫屋が木の下で逢うのはその木を食樹とする虫だ。“枝谷戸”入り口にある大きなエノキの下ではエノキを食樹とするヤツボシハムシが多く見られた。通常は背中に八つの黒色紋があるのでこの名が付いているが、紋のないものから黒一色のものまで変異が多い。ハムシハンドブック(文一総合出版)によれば成虫で越冬した個体が一斉に現れたことになる。同じころ“A畑”上段の雑木林にあるミズキの下ではミズキを食樹とするアゲハモドキ(蛾の一種)が羽化していた。すぐ横では同じくミズキを食樹とするエサキモンキツノカメムシが越冬から覚めて交尾の最中。谷戸の樹木は多くの昆虫たちの食樹となっている。だからその下で休憩したり、食事したり、はたまた恋人と逢う際はちょっと足元を見て、その木を食樹とする昆虫がいないか確認する習慣をつけよう。(たのくろまめお)

通常型

無紋型
黒化型

アゲハモドキ
アゲハモドキ(ジャコウアゲハに擬態?)
エサキモンキツノカメムシ
両者の距離(近!)