谷戸の生きもの

田んぼ、畑、雑木林、湿地、草地、小川、池など多様な環境が残る山崎の谷戸には多くの生きものが暮らしています。
トンボ、チョウ、カエルなどのほか、「ゾウムシ」「ハムシ」など多くの人が初めて聞くような名前の昆虫も見ることができます。そして彼らはすべて固有の生態を持ち、いろいろな方法によって命を繋いでいます。また田畑や雑木林など昔ながらの里山環境と関わりの深い種類も多いのです。
このコーナーでは谷戸で見られる昆虫をメインにその魅力を画像と文で紹介し、たくさんの人が彼らに興味を持ち、また山崎の谷戸の素晴らしさを共感してもらえたらと思っています。

谷戸の生きもの一覧

キマワリ   枯れ木大好き!

長い足で木のまわりをよく歩いているからキマワリ(木廻)。ただしこれがいるのは枯れ木。倒木や薪にも集まる。昔カブトムシやクワガタを探して雑木林に入るとよく出会った。これがいたらその木はダメという目安になった。何年か前、8月の炎天下でテニスをしていた時、突然私の所へ飛んできたことがあった。世の中何が起こるか分からないとは言え、私の人生で最もあり得ない瞬間だった。“俺は枯れ木じゃない!”10歳年上の対戦相手のほうへ行かせようとしたがダメだった。枯れ過ぎより枯れ始めがいいのかも。(たのくろまめお)

オニヤンマ   “草刈り”これからもよろしく!

東谷戸の道脇を流れる水路はオニヤンマの発生ポイントだ。草が覆うとオスのパトロールやメスの産卵に支障が出るので生態系保全班で草刈りをしている。写真は草刈り直後にやって来たオス。往復飛翔を始めたので広角レンズで“置きピン”で撮影した。ちょっと嬉しそうに見えるのは気のせいか。親になるのに3~4年かかるので今年飛んでいるのは2015~16年生まれだ。日本最大にして世界的にも屈指の大きさを誇るが、昨今減少が著しい。かつてのように住宅街の道路を飛んだり家の中に入ってくることは無くなった、と思っていたら先ほど深沢の交差点を青信号で飛んでいく姿を発見。嬉しくなった。(たのくろまめお)

オオシオカラトンボ   “いててて”(ウスバキトンボ)

夏まっさかりの山崎の谷戸。虫を探して歩いていると、草むらで異音が。正体はこのトンボたちだった。オオシオカラトンボのオスがウスバキトンボ(性別不詳)を捕らえて食べ始めたところ。知らなかったが頭(脳)からいくんですね。いい写真を撮ると自然を愛する仲間に見てもらうのだが、ショッキングな場面だと思って「気の弱い人は見ないでください」とメールしたところ、後で女性から「血が出ていないので平気だった」と言われた。確かに。(たのくろまめお)

ニイニイゼミ  どこにいるか分かる?

夏になると一番先に鳴き出す。今年は7月2日に初鳴きを聞いた。(年々早くなっているようで実際は6月下旬に初鳴きしているとのこと)幼虫は湿った土壌を好み、抜け殻には泥が着いている。殻は木の下の方に着いているので、小さな子がたくさん集めていたりする。松尾芭蕉の名句「閑さや岩にしみ入る蝉の声」は何ゼミかとかつて論争となったがニイニイゼミで落ち着いたようだ。7月13日に山形市立石寺で詠まれたことから時期的にもそうだが、他のセミの声は岩にしみ入らないでしょ。桜によく集まる印象を持っているが、今回クヌギにとまっている姿を見て、複雑な翅の模様はむしろこちらの樹皮によく紛れている(擬態)と思った。(たのくろまめお)

タマムシ  玉虫色に撮れてる?

“玉虫厨子(国宝:法隆寺)” “玉虫色の解決”など古くから知られていたようだ。これだけの大きさと美しさを兼ね備えた昆虫は他に類を見ない。子どもの頃家に飛んでくるのは“ウバタマムシ”ばかりでタマムシは憧れの存在だった。(食樹の松が減って今ではウバタマムシのほうが珍しいが)谷戸では盛夏の日差しの強い日中に高い所を飛翔している姿を見ることが多いが、ある時田んぼの脇を歩いていたらむこうからぶつかってきたことがあった。写真は伐採されたヤマザクラに産卵しているところで、カメラを持っていないときに一度偶然に見かけ、その後再挑戦で撮影したもの。両親が住む伊豆ではストーブ用の薪(主にコナラ)に来ているのを幾度となく見ている。(たのくろまめお)