アオマツムシ   毎度お騒がせしています

谷戸の会が開催する「秋の虫の音」に集まった人は、前後左右上下から聞こえるその鳴き声(リーリーリー)の洗礼を受ける。BGMと割り切りってエンマコオロギ、カンタン等本命の虫の声を聞き分けなくてはならない。コオロギの仲間だが樹上にいるためか、たくさん鳴いているわりに意外と姿は見ない。写真は草むらの葉陰にいたメスで、背中の模様がミゾソバに合ってないのが“ざんねん”。もともと熱帯アジア原産で大正6年にはすでに東京市四谷あたりに多かったという記録がある。(たのくろまめお)

オオアオイトトンボ   これからも湿田でお願いします

「イトトンボ」は「糸トンボ」で細身の体から、「オオアオ」は「大青」で「アオイトトンボ」より大きいから名付けられた。梅雨の頃に羽化するといったん林の中へ。盛夏はそこで過ごす。秋に水辺に戻ってきて10月末ごろまで活動する。池の上に突き出た枝に産卵し、孵った幼虫は下の池に落ちるという習性がある。山崎の谷戸にそのような環境が見当たらないと思っていたら、今年の7月上旬、山際の田んぼから次々と羽化するのを目撃した。一年中水のある田んぼを利用していたのだ。生きものはたくましい。(たのくろまめお)

昆虫病原糸状菌(キイロスズメバチ)  手ぶらのサンタにはわけが

生きているときに菌に感染し死んだキイロスズメバチ。菌といえばキノコやカビが一般的だが、昆虫に寄生し恐ろしいスズメバチを優しいサンタクロースの姿にしてしまう菌がいる。ハチだけでなくバッタ、カミキリ、クワガタなど多くの昆虫に寄生する。写真を撮った場所は谷戸の一番奥、杉林の下で日当たりが悪く高湿度の所。その中にあって風通しのよい葉の上で絶命していたのは、子孫繁栄を願って胞子が飛散しやすいようにするための糸状菌の戦略だろう。(たのくろまめお)

アオスジアゲハ 「Wind is blowing from the Aegean ~」

ジュディオング「魅せられて」の一節が思い浮かぶ。谷戸で栽培しているタブノキの苗木に産卵していたメスが飛び立った瞬間。飛翔力が高く、早いスピードで樹木や花のまわりをめまぐるしく飛び回るので飛んでいる姿を撮るのは至難。暖地のチョウで以前はそれほど普通ではなかったが、幼虫の食草のクスノキやタブノキが街路樹として植栽されるようになったので都市部でもよく見られるようになった。環境を入れたくて魚眼レンズで撮ったのでレンズとチョウとの距離は数センチ。(たのくろまめお)

イチモンジセセリ   ツルボで燃料補給中

後翅に白い斑点がつながった一文字(イチモンジ)模様を持つセセリチョウ。
6~8月中旬まではあまり見かけないが、8月下旬から9月上旬になると急にたくさん見るようになる不思議なチョウ。飛ぶスピードが半端なく早く、姿はなくとも風を切る音で近くを飛んだことが分かったりする。そういえば羽の形がF-〇〇ジェット戦闘機のようだ。幼虫の食草は、イネやススキ等のイネ科やカヤツリグサ科の植物である。そのためイネの害虫とされ、イネツキムシ、イネツトムシなどと呼ばれている。(たのくろまめお)

キタテハ  お願い!「カナムグラをあまり刈らないで」

山崎の谷戸で最もよく目にするチョウの一種。それもそのはず秋に羽化した個体は成虫で越冬するので早春から晩秋まで見ることができる。冬でも好天で温かい日に日光浴をすることがある。さらに幼虫の食草は谷戸にいくらでもあるカナムグラ。成虫は花や腐った果実に集まる。ある9月の昼下がり、田んぼの脇を歩いていた私にまとわりついて離れず、ついには手に止まって汗(?)を吸い始めた。花と間違われたのならいいが、まさか・・・。(たのくろまめお)

クビキリギス   「クビキリ」は「首切り」の意味

「クビキリ」と「キリギリス」が合わさった物騒な名前。顎の力が強く噛みついた状態で強く引っ張ると頭部が抜ける(首切り)ことが名前の由来だが、本当にそうなるか試したことはない。口の周囲が赤いのが特徴。初夏から夏に孵化し秋に成虫になるとそのまま越冬する。翌春〜初夏に草や木の上、時に人家の庭で鳴いているのが聞こえる。鳴き声は「ジーーー」ないし「ヴィーーー」と電気の変圧器のようだ。谷戸で成虫越冬するキリギリスの仲間はこれとシブイロカヤキリモドキの2種だけである。(たのくろまめお)

ナガコガネグモ    クモの天敵ってだーれ

谷戸のクモの中でもその大きさと美しさで目立つ存在。やはり大きな網を張るジョロウグモもよく見るが腹部の裏に赤い色の紋があるので識別は容易。本種は水田やその周辺に網を張ることが多くバッタやシオカラトンボなどがよく捕まっている。仲間と観察していた時のこと、突然ベッコウバチがクモに体当たりし、下に落ちたところをすかさずハチの一刺しという衝撃の現場を目撃した。クモもボーっと生きてはいられない。(たのくろまめお)

 


ハグルマトモエ(オスグロトモエ?) 眼状紋で鳥を威嚇?

前翅の巴型の大きな紋(眼状紋)が特徴の大きなガ。オスグロトモエとハグルマトモエというのがいて、たいへんよく似ている。写真の個体は紋の大きさからハグルマトモエのメスのようだが実はよく分からない。鳥はガの天敵としてあげられるが色々な学者が研究(実験)して眼状紋に対して極度の恐怖感を持つことが証明されている。近くのネムの木(食樹)から本田に飛来したようだが昼間に稲穂にぶら下っていても眼状紋のおかげで安全なのかもしれない。(たのくろまめお)

コアオハナムグリ   白い花がよく似合うコガネムシ

「ハナムグリ」は「花潜り」の意味で花の中に潜って花粉を食べる様子からこの名前がついた。「アオハナムグリ」というのがいて、それより一回り小さいので「コ」(小)が付いている。よくある命名方法。体にはうぶ毛状の細かい毛がたくさんはえている。谷戸では春から秋まで見られ、林の周辺や田・畑の土手のハルジオンやヒメジオンなどの周りをさかんに飛び回っている。(たのくろまめお)