アオスジアゲハ 「Wind is blowing from the Aegean ~」

ジュディオング「魅せられて」の一節が思い浮かぶ。谷戸で栽培しているタブノキの苗木に産卵していたメスが飛び立った瞬間。飛翔力が高く、早いスピードで樹木や花のまわりをめまぐるしく飛び回るので飛んでいる姿を撮るのは至難。暖地のチョウで以前はそれほど普通ではなかったが、幼虫の食草のクスノキやタブノキが街路樹として植栽されるようになったので都市部でもよく見られるようになった。環境を入れたくて魚眼レンズで撮ったのでレンズとチョウとの距離は数センチ。

イチモンジセセリ   ツルボで燃料補給中

後翅に白い斑点がつながった一文字(イチモンジ)模様を持つセセリチョウ。
6~8月中旬まではあまり見かけないが、8月下旬から9月上旬になると急にたくさん見るようになる不思議なチョウ。飛ぶスピードが半端なく早く、姿はなくとも風を切る音で近くを飛んだことが分かったりする。そういえば羽の形がF-〇〇ジェット戦闘機のようだ。幼虫の食草は、イネやススキ等のイネ科やカヤツリグサ科の植物である。そのためイネの害虫とされ、イネツキムシ、イネツトムシなどと呼ばれている。

キタテハ  お願い!「カナムグラをあまり刈らないで」

山崎の谷戸で最もよく目にするチョウの一種。それもそのはず秋に羽化した個体は成虫で越冬するので早春から晩秋まで見ることができる。冬でも好天で温かい日に日光浴をすることがある。さらに幼虫の食草は谷戸にいくらでもあるカナムグラ。成虫は花や腐った果実に集まる。ある9月の昼下がり、田んぼの脇を歩いていた私にまとわりついて離れず、ついには手に止まって汗(?)を吸い始めた。花と間違われたのならいいが、まさか・・・。

クビキリギス   「クビキリ」は「首切り」の意味

「クビキリ」と「キリギリス」が合わさった物騒な名前。顎の力が強く噛みついた状態で強く引っ張ると頭部が抜ける(首切り)ことが名前の由来だが、本当にそうなるか試したことはない。口の周囲が赤いのが特徴。初夏から夏に孵化し秋に成虫になるとそのまま越冬する。翌春〜初夏に草や木の上、時に人家の庭で鳴いているのが聞こえる。鳴き声は「ジーーー」ないし「ヴィーーー」と電気の変圧器のようだ。谷戸で成虫越冬するキリギリスの仲間はこれとシブイロカヤキリモドキの2種だけである。

ナガコガネグモ    クモの天敵ってだーれ

谷戸のクモの中でもその大きさと美しさで目立つ存在。やはり大きな網を張るジョロウグモもよく見るが腹部の裏に赤い色の紋があるので識別は容易。本種は水田やその周辺に網を張ることが多くバッタやシオカラトンボなどがよく捕まっている。仲間と観察していた時のこと、突然ベッコウバチがクモに体当たりし、下に落ちたところをすかさずハチの一刺しという衝撃の現場を目撃した。クモもボーっと生きてはいられない。

 


ハグルマトモエ(オスグロトモエ?) 眼状紋で鳥を威嚇?

前翅の巴型の大きな紋(眼状紋)が特徴の大きなガ。オスグロトモエとハグルマトモエというのがいて、たいへんよく似ている。写真の個体は紋の大きさからハグルマトモエのメスのようだが実はよく分からない。鳥はガの天敵としてあげられるが色々な学者が研究(実験)して眼状紋に対して極度の恐怖感を持つことが証明されている。近くのネムの木(食樹)から本田に飛来したようだが昼間に稲穂にぶら下っていても眼状紋のおかげで安全なのかもしれない。

コアオハナムグリ   白い花がよく似合うコガネムシ

「ハナムグリ」は「花潜り」の意味で花の中に潜って花粉を食べる様子からこの名前がついた。「アオハナムグリ」というのがいて、それより一回り小さいので「コ」(小)が付いている。よくある命名方法。体にはうぶ毛状の細かい毛がたくさんはえている。谷戸では春から秋まで見られ、林の周辺や田・畑の土手のハルジオンやヒメジオンなどの周りをさかんに飛び回っている。

マメコガネ  こう見えて相当のワルです

谷戸のたのくろ豆を食害している現行犯の写真。後ろ足2本が跳ね上がっているのは「見つかっちゃった!」なのか「美味しすぎて!」なのか意味不明。(どうも前者らしい。)さまざまな植物の花や葉を食べる。ダイズやブドウといった農作物の葉も食い荒らすことから農業害虫として有名。日本在来種だがアメリカに侵入し「ジャパニーズビートル」と呼ばれ恐れられている。

 

ショウジョウトンボ 「赤とんぼ」ではありません

ショウジョウは「猩々」と書く。仏教の古典書物に出てくる真っ赤な架空の動物からきている。赤いので誤解されるが赤とんぼ(アカネ属)の仲間ではない。赤とんぼが秋の風物詩とすればこちらは夏の池がよく似合うトンボ。幼虫は池のアオミドロの中などに多く天敵のアメリカザリガニなどからは逃れられるが藻が除去されたらアウト。メスは地味な茶色で同じ種とは思えない。谷戸では農家風休憩舎裏の池(湿地)や水田で見ることができる。

 

ジンガサハムシ  見つけたらそっと近づこう

「ジンガサ」は「陣笠」で形から、「ハムシ」は「葉虫」で葉を食べるから。一度見たら感動間違いなしの黄金色のハムシ。手足のように見えるのは上翅(じょうし)の模様で本当の手足はその下に透けて見える。谷戸に多いヒルガオ類を食べるのでその食痕を見ていけば出会えるが、ハムシ類は人が近づくと飛んで逃げる、葉の裏に隠れる、地面に落下するなどの行動をとるので相手より先に見つけるのがコツ。その後どこまで近づけるかは相手の気分次第。