谷戸の生きもの

田んぼ、畑、雑木林、湿地、草地、小川、池など多様な環境が残る山崎の谷戸には多くの生きものが暮らしています。
トンボ、チョウ、カエルなどのほか、「ゾウムシ」「ハムシ」など多くの人が初めて聞くような名前の昆虫も見ることができます。そして彼らはすべて固有の生態を持ち、いろいろな方法によって命を繋いでいます。また田畑や雑木林など昔ながらの里山環境と関わりの深い種類も多いのです。
このコーナーでは谷戸で見られる昆虫をメインにその魅力を画像と文で紹介し、たくさんの人が彼らに興味を持ち、また山崎の谷戸の素晴らしさを共感してもらえたらと思っています。

谷戸の生きもの一覧

アオマツムシ   毎度お騒がせしています

谷戸の会が開催する「秋の虫の音」に集まった人は、前後左右上下から聞こえるその鳴き声(リーリーリー)の洗礼を受ける。BGMと割り切りってエンマコオロギ、カンタン等本命の虫の声を聞き分けなくてはならない。コオロギの仲間だが樹上にいるためか、たくさん鳴いているわりに意外と姿は見ない。写真は草むらの葉陰にいたメスで、背中の模様がミゾソバに合ってないのが“ざんねん”。もともと熱帯アジア原産で大正6年にはすでに東京市四谷あたりに多かったという記録がある。(たのくろまめお)

2018-10-10

オオアオイトトンボ   これからも湿田でお願いします

「イトトンボ」は「糸トンボ」で細身の体から、「オオアオ」は「大青」で「アオイトトンボ」より大きいから名付けられた。梅雨の頃に羽化するといったん林の中へ。盛夏はそこで過ごす。秋に水辺に戻ってきて10月末ごろまで活動する。池の上に突き出た枝に産卵し、孵った幼虫は下の池に落ちるという習性がある。山崎の谷戸にそのような環境が見当たらないと思っていたら、今年の7月上旬、山際の田んぼから次々と羽化するのを目撃した。一年中水のある田んぼを利用していたのだ。生きものはたくましい。(たのくろまめお)

2018-10-10

昆虫病原糸状菌(キイロスズメバチ)  手ぶらのサンタにはわけが

生きているときに菌に感染し死んだキイロスズメバチ。菌といえばキノコやカビが一般的だが、昆虫に寄生し恐ろしいスズメバチを優しいサンタクロースの姿にしてしまう菌がいる。ハチだけでなくバッタ、カミキリ、クワガタなど多くの昆虫に寄生する。写真を撮った場所は谷戸の一番奥、杉林の下で日当たりが悪く高湿度の所。その中にあって風通しのよい葉の上で絶命していたのは、子孫繁栄を願って胞子が飛散しやすいようにするための糸状菌の戦略だろう。(たのくろまめお)

2018-10-10

アオスジアゲハ 「Wind is blowing from the Aegean ~」

ジュディオング「魅せられて」の一節が思い浮かぶ。谷戸で栽培しているタブノキの苗木に産卵していたメスが飛び立った瞬間。飛翔力が高く、早いスピードで樹木や花のまわりをめまぐるしく飛び回るので飛んでいる姿を撮るのは至難。暖地のチョウで以前はそれほど普通ではなかったが、幼虫の食草のクスノキやタブノキが街路樹として植栽されるようになったので都市部でもよく見られるようになった。環境を入れたくて魚眼レンズで撮ったのでレンズとチョウとの距離は数センチ。(たのくろまめお)

2018-09-20

イチモンジセセリ   ツルボで燃料補給中

後翅に白い斑点がつながった一文字(イチモンジ)模様を持つセセリチョウ。
6~8月中旬まではあまり見かけないが、8月下旬から9月上旬になると急にたくさん見るようになる不思議なチョウ。飛ぶスピードが半端なく早く、姿はなくとも風を切る音で近くを飛んだことが分かったりする。そういえば羽の形がF-〇〇ジェット戦闘機のようだ。幼虫の食草は、イネやススキ等のイネ科やカヤツリグサ科の植物である。そのためイネの害虫とされ、イネツキムシ、イネツトムシなどと呼ばれている。(たのくろまめお)

2018-09-20